ヘルスケア×ブロックチェーン・セミナーを開催  2019.3.7

ハッシュピーク 株式会社は、有楽町国際ビル内のブロックチェーン発信拠点である丸の内vacansにてヘルスケア×ブロックチェーン・セミナーを開催しました。講師はハッシュピーク 代表の前田が務めました。当日は参加者による議論も活発に行われ、盛会のうちに終了しました。アンケートの集計結果も大変好評でした。

■セミナーのアジェンダ
13:30~14:35 ブロックチェーンとは 
14:50~15:40 HiMSS 2019 in Orlando 現地レポート 
15:40~16:05 ブロックチェーンのヘルスケアビジネス事例
16:15~17:00 ヘルスケアでのブロックチェーンの応用可能性(参加者による議論)

ブロックチェーンとは
​ブロックチェーンには分散台帳、仮想通貨、資金調達の3つの側面があることを示した上で、ヘルスケア領域では分散台帳の側面に重心をおいた考え方が大切であると解説しました。

HiMSS 2019 in Orlando 現地レポート 
2019年2月11日より15日までアメリカはフロリダ州のオーランドで、HiMSS(Healthcare Information Management Systems Society)のグローバルカンファレンスが開催されました。HiMSSは7万人の会員を擁する世界最大級の団体であり、同カンファレンスには世界中から4万人以上が集結しました。
2月11日には終日かけてブロックチェーンシンポジウムが行われ、午前から午後にかけて合計6セッションがありました。各セッションには、マイクロソフトなどの大手企業、ヘルスケアブロックチェーンのベンチャー企業、ブロックチェーンのプラットフォームの協議団体、さらには連邦政府の職員もプレゼンテーションやパネルディスカッションに参加していました。

今年のテーマは、ずばり「インターオペラビリティ」。医療業界のサイロ化(縦割り化)されている情報をいかに繋いで有効活用するかが課題です。ブロックチェーンに限らず、人工知能などの先端技術の有効利用をするためにも重要な課題との共通認識が業界にあり、熱い議論が交わされていました。

特にONC(Office of the National Coordinator for Health Information Technology)とCMS(Centers for Medicare & Medicaid Services)が、「Information Blocking(情報遮断)」に対して強い懸念を示し「施設や保険者はオープンにデータ共有する技術を実装し患者が保険プランを選択するにあたりスムーズな治療移行をサポートすべき」と共同声明を発表しました。

ブロックチェーンシンポジウムにおいても、さまざまなブロックチェーンネットワークがバラバラに作られていますが、将来的には異なるチェーンネットワークがお互いに接続し合う運命にあると展望していました。しかし、現在の個人情報保護法などの法制度やレジストリ規格のままでは、ブロックチェーンは今後お互いに情報交換ができなくなることへの懸念が議論されました。

ブロックチェーンのヘルスケアビジネス事例
こちらでは、ブロックチェーンを使ったヘルスケアビジネスを個別の14社の企業につきご紹介しました。医療健康記録、遺伝子データの価値化、保険請求、アウトカムベースの価値管理、セカンドオピニオンネットワーク、医師と患者のエンゲージメント強化など14の事例をご紹介をいたしました。​

ヘルスケアでのブロックチェーンの応用可能性
​最後に参加者全員で日本において医療ブロックチェーンの応用可能性について活発に議論をしました。
質問も複数の方から投げかけられ、気づきの多いセッションとなりました。

[まとめ]
アメリカのHiMSSに参加して目の当たりにしたのは、米国ではブロックチェーンの基礎知識があることはすでに当たり前で、参加者が医療への応用につき本質的な議論をしていることでした。去年も多くの実証実験が行われ、何がうまくいって、何がうまくいかないかの共有も進んでいました。日本でのブロックチェーンのヘルスケアでの取り組みはまだ少ないですが、ブロックチェーンの耐改竄性やスマートコントラクトの効率性などその良さに着目しつつ、実用化が進んでいけば良いと思います。

原点

私は海外に行きたかった。
横河電機入社直後の研修で、スタートアップ部というプラントの立ち上げを専門に行う部門があることを知る。
この部門は海外プラントの立ち上げの機会も多い。そこで私は同部門への配属を希望し、6月に希望通り配属された。

その年の夏、私は課長に呼び出された。
「サウジアラビアとナイジェリア、どっちに行きたいか?」
突然の質問にたじろぎつつ、かろうじて「サウジアラビア」と特に根拠もなくイメージで答えた。
そして、新卒1年目でサウジアラビアに行くことが決まった。この会社で新卒が1年目から海外に行くのは私が初めてであったらしい。
サウジアラビアでは7ヶ月間、エンジニアとして肥料プラントの立ち上げに携わった。

時は、湾岸戦争直後、まだ散発的にミサイルが飛んだり、アルコバールという街に繰り出せば迷彩服を着たアメリカの軍人が歩いている頃。
日本から来たエンジニアというだけで、私の下には2人の私より経験のあるフィリピン人が仕事を手伝ってくれることになった。
プラントの仕事は彼らの方がよく知っており、いろいろなことを教わった。

このサウジアラビアでの中期にわたる滞在は、エンジニアリングという技術やプロジェクト管理を学ぶだけでなく、宗教、文化、戦争、国家など様々なことに気づきや問題意識を与え、私の感受性を豊かなものにしてくれた。

サウジアラビアから帰国後、海外の仕事を多くするようになった。
中国、韓国、シンガポール、アメリカ、そしてナイジェリア。
もともと海外好きな私にとって水を得た魚のように飛び回った。

シンガポールの仕事は印象的だ。お客さんはシェルグループ傘下のShell Eastern Petroleum。
立ち上げるシステムは、世界初のUNIXをベースとしたCENTUM CSという分散型制御システム(DCS: Distributed Control System)。

それまでプラントでは各メーカーが独自開発したOSやアプリケーションでプロセスを自動制御するシステムを使っていた。
しかし、横河電機は当時世界に先駆けてUNIXというオープンソースをベースとしたシステムを開発した。
インターネットにも使われている技術であり、画期的な製品であった。
そんな最先端の製品を一流のお客さんを相手に立ち上げを行うという好機にわたしは恵まれた。

なぜその時、私のような若者がこの好機に恵まれたのか?
それはUNIX/Internetといった技術が世の中を変えていたからだ。
多くの先輩のエンジニアの中で、この新しい技術を扱える人は少なかった。
なので、若者にチャンスが巡ってきたのだと10年以上たった後に理解した。

やはり技術が世の中を変えていくのだ。特にインターネットは破壊的だった。
そして、いまブロックチェーンがインターネット以来のパラダイムシフトと言われている。
この技術について一部懐疑的な見方をする人たちもいるのは知っている。
しかし、ブロックチェーンの本質が見えてしまった人たちはその魅力を忘れることがきない。
そしてこの技術を社会に役立てるべく実用化方法を試行錯誤するのだ。

そして私もこのブロックチェーン技術を通して世の中に貢献していきたいと思う人間のひとりである。

​前田琢磨
代表取締役
​ハッシュピーク 株式会社
​2019年1月