「HEORとブロックチェーン」講演報告

10月24日にシードプランニング にて「HEORとブロックチェーン」の講演のご報告です。

講演では、55分の持ち時間で、大きく3つのことをお話しました。

  1. 医療ブロックチェーンの時代観
  2. ブロックチェーンの4つの特徴と3つの誤解
  3. アウトカム研究への応用考察
  1. 医療ブロックチェーンの時代観
    100年単位の時間の流れで見た時に、医療技術とブロックチェーンというデジタル技術がどういう位置づけにあるか解説しました。大時代的に見ると、この領域は揺籃期であり、今後多くの応用例が生まれてくると思われます。
  2. ブロックチェーンの4つの特徴と3つの誤解
    4つの特徴とは、「トラストレス」「スマートコントラクト」「トークンエコノミー」「マイクロペイメント」について解説しました。
    3つの誤解は、仮想通貨にまつわるよくある誤解について解説しました。たとえば「ブロックチェーンは仮想通貨である」という誤解です。
  3. アウトカム研究への応用考察
    ブロックチェーンの特徴を生かし、アウトカム研究にどのような応用が可能かの考察をご紹介しました。

    現在医療データというのは各医療施設に分断されて保管されていますが、これらのリアル・ワールド・データを統合し研究活用などをするために、これまで地域EHRや医療保健データプラットフォーム(いわゆるナショナルデータベース)といった取り組みが進められてきています。

    こうした取り組みに加えて、ブロックチェーンを使うと、新たな統合アプローチの可能性が出てきます。患者起点で医療データを統合するというものです。世界では、すでにこのアプローチを実現すべく複数の医療ブロックチェーンプロジェクトが進行中です。

    講演ではこうした患者起点の医療データ・ブロックチェーンプラットフォームのスキームについてご紹介しました。

今回のテーマは、まだまだ新しい領域ですので、実現には技術的な課題だけでなく、個人情報保護法といった法制面や、患者さんの医療リテラシーなど多くの課題がありますが、本質論としては検討に十分値するものと思います。

当社としても引き続き研究していきます。